古い新聞


一時退院しているので、この機会に少し整理をしておこうと
マイペースで片づけをやっています。

鏡台に大切な物をしまうようにしているんですが、ガラクタのような物までしまっています。
そのガラクタに混じって、少し変色した新聞紙があります。
これも他の人が見れば充分にガラクタかゴミにしか過ぎません。

でも
この新聞は、長男の高校入試の合格発表が載っている新聞です。

今では、子供のプライバシーに関する事だからと、高校・大学の発表は記載されなくなりましたが
何年か前までは、新聞にも名前が載っていて再確認したものです。

長男は高校入試の数日前からインフルエンザに罹り、高熱を出しベストな体調で望めませんでした。

その当時私は手術室勤務でした。
朝長男を送り出して仕事に行ったものの、気になって仕方がありませんでした。

昼休み、同じj休憩室で中央材料室の人と一緒になりました。
その中に少し大きな子供さんのいる人と話した時
体調の悪い受験生は申し出ると保健室で受験が出来るって事を知りました。

でも、その日が受験当日ですからもう遅過ぎ。

その人から一言、言われました。

「親がそのくらい知っていて配慮してあげないと・・。」
私その言葉を聞いて愕然としました。
その人の言われる通りです。

焦りました。

インフルエンザだったという証明をする為に、診断書を提出する事によって
受験結果を少しでも考慮してくれるのでは?と、浅はかな考が浮かび
頼みやすいDrに説明して書いてもらう事が出来るか聞いてみました。

Drからは診断書を書く事により、考慮してくれるものなら書いてくれるという返事を頂きました。

その日仕事を終え自宅に帰ると、長男はまだ体調が悪いのか自分の部屋で寝ています。
恐る恐る試験の成果を聞いてみました。

熱の影響で頭がボォ〜としていて、試験中真っ白な状態でほとんど答案を書けていない。
と、悪い結果を確信するかのような返事が返って来ました。

長男の性格は気が弱く、ちょっとした事で傷つきやすい子でした。
そうでなくても15歳と言えばちょっとの事で、傷つく年頃。

志望校は、決してレベルの高い有名校を志願していたわけではありません。

受験を失敗した時の事を考えると、この子は立ち直れないのでは?と、
悪い方に悪い方に考えが進んで行きました。

翌日は面接試験です。

中学校の担任の先生に、インフルエンザだったと言う証明を出したら
試験結果を考慮してもらえるものかどうかを、電話をして聞いてみました。

自分がやっている事が、恥ずかしい事だとわかっていても
母親としてやれるだけの事は遅まきながらやりたいと思っていました。

担任の先生は、今からでは試験結果を診断書でどうこうできる事は無いでしょうと答えられました。

もうこうなると、後は試験結果を待つのみです。

試験日から発表まで1週間あります。
この一週間は、長く重苦しく感じました。

発表の当日は仕事をしていても気になって仕方ありません。

9時過ぎに職場に、発表を見に行った夫から電話がありました。

「合格しとった・・」

彼も涙声でした。
長男と電話を変わってくれました。

冷静な声で 「合格したで」
『おめでとう.良かったな』

電話を切った後で、後から後から涙が溢れ出ました。

診断書を依頼しようとしたDrにも、合格した事を告げました。
告げながら、また涙が出そうでした。

あれからもう何年も過ぎました。

今こんな話を長男にすると合格したのは当たり前のような顔をすると思います。
もう、あの時の事は忘れているかも?

私が新聞を大切に保管してる事など、夢にも思わないでしょう。

でも、私にとっては、あの時の古新聞は今でも大切な物です。



2004年7月21日







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